あれ?INTPってメチャクチャ生きづらくね?

 

彼はこの世において、全く異国人であった。

 

この一文は江戸川乱歩の小説「蟲」の主人公を言い表したものです。

この主人公は根暗な27歳の無職です。そして極端な人嫌いで、引きこもりで、本の虫です。

 

言うまでもなく、こんなやつは不気味です。何考えてるか分からないですよね。

ちょっと怖くて関わりたくないですよね。

 

恐らくですが一般的な反応はこのようになると思います。

 

ですがこの小説を初めて読んだとき、僕は不思議と心を惹かれました。

僕と同じような人間が居ると思ってしまいました。

 

彼は最終的に狂っていきますが、それについては触れません。あくまで人柄や雰囲気の話です。

 

具体的には「この世において、全くの異国人であった」という冒頭の文に収まっていきます。

価値観や言語、思考方法の致命的な違い。埋められない亀裂。

 

そしてこれが日々感じている生きづらさの原因だと考えています。

 

単なる個人の経験をINTPとして一般化して述べることのナンセンスさは承知ですが、

僕と同じように感じている人がいるかもしれないので、その一助となることを期待して書いていきます。

 

少し深刻な雰囲気になりましたが、実際はそこまで苦労はしていないので悪しからず。なんか若干生きづらいなー程度です。タイトルは盛りました。

 

目次

 

自分が火星人か何かになったかのような疎外感

その境涯きょうがいを楽しんで行くことが出来なかった。彼は世にたぐいもあらぬ厭人病者えんじんびょうしゃであった

こういった文を読むと、中学時代の友人達と久しぶりに遊んだ時のことを思い出します。

居酒屋での7,8人の飲み会でした。

 

中学時代は普通に遊ぶ仲でしたが、今となっては価値観などが色々と変わってあまり関わりたくはありませんでした。

でも、せっかく誘われたのに断るのあれかなーと思って参加してしまいました。

 

久しぶりに会ってみれば、まぁ普通って感じの人たちです。

 

「今何やってんの?」

 

中学校時代あまり交流の無いタイプの人に、ぎこちない笑みで聞かれました。

他にも何人かがこの光景を見ています。知らない人も数人います。

 

...ひたすらに気まずい。早く酒を飲んで酔っ払いたい気分でした。そうすれば彼らのテンションについていけるから。

 

実際、それは大正解でした。

ハイボールを何杯か飲むと頭の働きが大分鈍くなり、多幸感が体を支配していきました。

嫌なことは脳内から消えていきました。

 

世の中の人は、常にこのような状態にあるんだな―と素朴に思いました。

 

その後彼らに合わせるのは酒の力で誤魔化せるようになりました。酒には感謝しかありません。

 

居酒屋を出た後は、道路の酔っぱらいと交流した後、カラオケに入りました。

これがまた地獄です。早速ですが段々と酒が切れ始めて来ていたからです。

 

対して部屋の中の空気は温まっています。

「ウェーイ」って感じです。

 

もう何度も参加してしまったことを後悔し始めていました。

「帰りたい」のリフレインです。

 

それにこういう集まりのカラオケで自分が好きな曲など歌えるわけがないじゃないですか。

 

なので歌わないのが無難です。

ですがそういう時に限って、「歌え」という流れになるんですよね。

 

仕方ないので、誰でも知っているようなJPOPの曲をうろ覚えで歌ってやりました。

幸い、合唱してくれる人がいたのでサビを間違えてもバレませんでした。

 

このカラオケ会が終わると集まりはお開きになりました。

時計を見ると、既に夜の10時を過ぎていました。

 

財布からは、飲み代とカラオケ代の6千円が消えていました。

 

ですが、新しく得るものもありました。

この手の集まりには二度と参加しないという教訓です。

 

消極的な仮面

 

消極的な仮面とは「変な奴だ」と思われないように性格を取り繕うことです。

目的が嫌な事の回避にあることが特徴となります。

 

カラオケで人気の曲しか歌わない、話題も流行りものだけに絞る。

そういうことをしない人間は異物とされて排除されるからです。

 

ならばできる限りこの手の集会には参加しなければよいだけです。

参加しないことが最大限のデメリットの回避になります。

 

「それは相手を理解することから逃げている」

 

否定はしません。

 

確かに、苦労すれば彼らと同じ仮面をつけることは可能だとは思います。

ですが僕にとってのメリットは全くありません。

 

つまり全く楽しくありません。疲れるだけで得るものがありません。

 

本の中に同類を見出す

 

人は自分と似たような存在に好印象を抱くらしいです。

英語のLIKEは「好き」という意味の他に「似たような」という意味もあります。

 

僕の場合、そのような人間は現実には全くと言っていいほど存在しませんでした。

代わりに本の中には沢山同類が居ました。

 

参考までですがINTPの方は色んな本を読んでみると、結構自分と似たような人がいて面白かったりしますよ。

 

まあ、これは性格に関係ないですけどね。

 

まとめ

やっぱり彼がこの世のけもので、全く独りぼっちな異人種であることを、愈々いよいよ痛感しないではいられなかった。俺は人種が違うのだ。

 

言われなくても自分が悪いのは分かっています。

振る舞いを周りに合わせるのはお互いに生きていく以上当たり前のことです。

 

しかし世間を見渡してみると、どうも様子が違う。

何も気にせず何の不自由もなく毎日を暮らしている人がいる。

 

そういうのを見ると「あぁ...生きづらいなぁ」と疲れたサラリーマンみたいに愚痴りたくもなります。

 

www.aozora.gr.jp

 

江戸川乱歩の「蟲」ですが、暇なときに読んでみると案外面白いかもしれません。